1年分の日記をAIに読ませて気づいた、「未達成」と「やめたこと」の違い

1年分の日記をAIで振り返る男性のイメージ

書くネタが、なかった。

noteの投稿画面を開いては、そのまま閉じる。そんな日が、ここ数週間続いていた。

AIに「何か案を出して」と頼んでも、返ってくるのはどこかで見たような話ばかり。そこで、ふと思った。

新しいネタを考えなくても、材料ならもう手元にある。

この1年、毎日ではないが、私は日記を書いてきた。その記録をAIに読ませてみることにした。

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日記をAIに渡すのが、少し怖かった

日記の中には、仕事のことも、家族のことも、その日に感じたことも入っている。そこで今回は、AIについて書いた記録だけを対象にし、家族や職場の人について書いた部分は読ませないことにした。

フォルダを選ぶと、ファイルの変更に関する英語まじりの警告が表示された。正確な意味が分からず、私には「AIが日記を書き換えるかもしれない」と言われているように見えた。

日記は、私の1年そのものだ。勝手に書き換えられたら困る。

そこで画面を別のAIに見せ、「日記は変更せず、読み取りと分析だけをしてください」という指示文を作ってもらった。その指示を最初のAIへ渡し、返ってきたまとめを、また別のAIに見せた。

自分で考えるためにAIを使い始めたはずなのに、気づけばAIに相談するための相談までAIにしていた。

AIが見つけた「私の1年」

返ってきたまとめには、私がこの1年にやってきたことが並んでいた。

  • 動画を見ながらObsidianの使い方を学び始めたこと
  • 人目を気にしながら、職場で音声入力を使うようになったこと
  • Excelを壊して青くなったこと
  • 初めて担当した労務書類を、AIに聞きながら何度も出し直したこと

自分では、あれこれ手を出しただけの散らかった1年に見えていた。ところがAIは、この1年をこうまとめた。

定年後に、自分の力で仕事を作るための実験の記録

そんなつもりで日記を書いていたわけではない。それでも、一日ずつ見れば失敗と寄り道ばかりだった記録が、遠くから見ると、同じ方向へ続いていた。

自分では気づかなかった道筋を、AIが先に見つけていた。

「まだ達成していません」

私はついでに、こんなことも聞いた。

この1年で、私がやろうとして、まだできていないことは何ですか。

返ってきたのは、次の五つだった。

  1. Gitを使えるようになる
  2. 長い会議の議事録を完全に自動化する
  3. 電気料金の取得を完全に自動化する
  4. 社内マニュアルに答えるチャットボットを作る
  5. 安定した副業収入を得る

その下には、「日記上では、まだ完成・定着したとは判断できない」と書かれていた。丁寧な言い方だったから、余計に胸に刺さった。

「未達成」と「自分で区切ったこと」は違う

何度か読み返すうちに、少し違う気持ちが出てきた。

電気料金の取得は、何もしなくてもデータが入る完全自動を目指していた。そこまではできていない。でも今は、画面のスクリーンショットを渡せば、必要な数字をExcelに入れられる。最後の確認は人が行うが、以前よりずっと短い時間で終わる。

Gitも、自由に使いこなせるとは言えない。それでも、必要なときにはAIに相談しながら操作できることが分かった。今の私には、Gitを完璧に覚えることより先にやることがある。

つまり五つの中には、「やりたいのに、まだできていないこと」と、「やってみた結果、ここまでで十分だと自分で区切ったこと」が混ざっていた。

AIが間違えたわけではない。私は日記に「これをやりたい」とは書いていたが、「そこまで自動にしなくても十分だった」「ほかを優先するため、いったんやめる」とは書いていなかった。

始めたことは記録していたのに、やめた理由は記録していなかった。

やめた理由を残さなければ、未来の自分には「また途中で投げ出した」と見えてしまう。本当は、考えたうえで区切りをつけたのだとしても。

記録しなかった95日

もう一つ、耳の痛いことがあった。

1年365日のうち、日記を残していたのは270日。95日分が抜けていた。いちばん記録が少なかった7月は、31日のうち13日しか残っていなかった。

日記を書かなかった日に、何をして、何に腹を立て、何をやめると決めたのか。書かなかったので、今の私には分からない。

AIは、書いてあることしか知らない。そして、それは未来の私も同じだ。記録しなかった日は、振り返ると何もなかった日のように見えてしまう。

そこで、書くのが面倒な日は、音声入力で1分だけでも残すことにした。立派な文章にする必要はない。

  • 何をしたか
  • 何を感じたか
  • 何をやめると決めたか

それだけでも、残しておこうと思う。

3か月に一度、自分を読み返す

AIに作ってもらった1年のまとめは、日記とは別の「AI記録」というフォルダに保存した。これからは3か月に一度、同じようにAIへ聞いてみるつもりだ。

  • この3か月の私は、何をしていたのか
  • 何を始めて、何をやめたのか
  • やりたいと言いながら、まだ手をつけていないことは何か

未達成と言われたら、本当にまだやりたいことなのか、自分に聞き直す。続けたいのか。もう十分なのか。それとも、ただ目をそらしているだけなのか。

残った課題をどう進めるかAIに相談すると、「いろいろ、やりすぎです。あなたに、そんな時間はないでしょう」と言われた。図星だった。

そこで、新しいことを次々に増やす前に、これまでの経験を書くことを優先することにした。

書くネタがないと固まっていた私に、AIが返してきたネタは「あなたの1年」だった。

来年の今ごろ、未達成はいくつ減っているでしょう。減っていないかもしれない。その代わり、「これはやらない」「ここまでで十分」と、自分で決めたものが増えているかもしれない。

できたことだけでなく、やらないと決めたことも書き残す。

そうしなければ、AIだけでなく、未来の自分まで勘違いするからだ。

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