社内の音声入力講習を、半年後にやり直した記録|「すごい」で終わらせないために変えたこと

※この記事は途中経過の記録です。講習の効果が出たかどうかは、半年後(2027年3月ごろ)に追記します。

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困っていたこと:「すごい」と言われたのに、広がらなかった

半年ほど前、社内の講習会でスマホの音声入力アプリ「Typeless」を紹介しました。無料でも使えて、話した言葉をかなり正確に文章にしてくれるアプリです。

その日は、いつも参加してくれる人が出張と重なったため、スマホをつないで移動中の車内から参加してもらいました。助手席や後部座席にいた、普段は講習に来ない人たちも一緒に見てくれました。

後日、そのうちの一人に声をかけられました。

「これ、すごいですよ。日本語だけじゃなくて、韓国語にもできるんですね」

説明した範囲を超えて、自分で試してくれていた。講習は成功だと思いました。

ところが半年たってみると、音声入力は思っていたほど広がっていませんでした。使い始めた人もいます。ただ、以前から音声入力を使っている人に聞くと、「最初は試しても、いつの間にかタイピングに戻っている人が多い」とのこと。全員に確かめたわけではありませんが、広がらなかったというより、一度は始めても定着しなかったのだと思います。

分かったこと:止まる理由は性能ではなく「使い方の壁」

振り返ると、半年前の講習で伝えていたのは便利さばかりでした。

  • 「こんなに正確に文字になります」
  • 「キーボードで打つより速いです」
  • 「無料でもここまで使えます」

でも、なぜ元に戻ってしまうのかは、あまり考えていませんでした。実際に使おうとすると、2つの壁があります。

壁よくある状態
何を話せばいいか分からないきれいな文章にしようとして言葉に詰まり、言い直しが続いて「自分には向いていない」となる
周りに聞かれるのが恥ずかしい職場で突然スマホに向かって話し始めるのは気が引ける。誰も気にしていなくても、自分が気になる

試したこと:9月の講習は「使えない理由」から始めた

9月の講習会で、もう一度音声入力を取り上げました。同じ機能を説明し直すのではなく、「なぜ便利だと分かっていても使えないのか」を考える講習にしました。伝えたのは2つです。

1. 電話のように話す
人前でスマホに向かって文章を読み上げるのは恥ずかしい。でも電話なら、多くの人が普通に話しています。スマホを手に持ち、誰かに電話で説明するつもりで話してみる。(この方法に気づいたきっかけは「音声入力が恥ずかしかった私。ChatGPTには電話のように話せた。」に書いています)

2. 「話す」と「整える」を分ける
音声入力だけできれいな文章を完成させようとすると難しい。最初は「今日、こういうことがあって」「それで、ここを直した方がいいと思って」という話し言葉のままでいい。まず文字にして、あとからAIに整えてもらう。

私自身の使い方

小さな会社の総務・人事は、総務・人事の仕事だけをしているわけではありません。社内報のイラスト、お店のポスター用の画像、見積書のフォーマット、簡単な仕組みづくりも頼まれます。

どれも、まず欲しいものや必要な項目を声でAIに説明し、やり取りで少しずつ形にしています。最初からきれいな指示にする必要はありません。今では、そのほとんどをキーボードを打たずに進めています。

結果:まだ分からない

今回の講習で、音声入力を使う人が本当に増えるのかは、まだ分かりません。講習の答え合わせは、その日の反応ではなく、半年後にまだ使っているかどうかだと考えています。

社内でAIツールを教えるときのポイント

  • 「すごい」という反応は、成功の証拠ではない。定着したかは後日確かめる
  • 便利さの説明より、「どこで使うか」「最初に何を話すか」「恥ずかしさをどうするか」まで一緒に考える
  • 「話す」と「整える」を分けて、最初のハードルを下げる
  • 半年後に、使い続けている人と戻った人の両方に話を聞く

同じようなことで悩んでいる方へ

「社内でAIツールを紹介したけれど、使われなくなった」「何から教えればいいか分からない」——そんな経験があれば、気軽に送ってください。記事で取り上げることがあります。

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